四方山話3


結局のところ、数学を学ぶ意味とか数学の学問的価値を、ある特定の方向に意味付けすることは、その意味に価値を見いだせない人を数学から遠ざけるだけでなく、ともすれば、その意味に沿わない数学的営みを生業としている人の仕事を否定することにもなりかねない。

それは、数学から人々を遠ざけるだけでなく、数学の裾野を狭める方向に働くだろうとおもう。

もちろん、数学そのものがもっている真理や美といったことに数学をやる意味を見いだすことは大事だが、鉄道の運用システムの開発とか、天気予報のための数値計算とか、効率的な水道管の配置のためのアルゴリズムとか、数学が重要な役割を果たしている事も、数学の在りかたのひとつとして語られるべきだと思う。逆に、役に立つとか、これこれの応用があるとか、そういったことだけに数学の在りかたを意味付けることもまた同じである。

なにをするにも、バランスが大切てある。