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数学の勉強方法 -再考-

 

 大事なことなのでもう一度.

 

 数学は自然科学の言葉である.だから数学を勉強する時には,”数学という新しい言語” を学ぶつもりでやるべきである.まずはお手本(教科書)をノートに写す.

 定理や公式はなぜ成り立つのかを写しながら考える.定理なら,それぞれの仮定は証明のどの部分で使われているのかを考える.公式ならなぜこのような式変形が必要なのか考えながら導出の過程を写す.

 次に,具体的な例ではどのように使えるのかを計算する.そして練習問題や例題を何度も解く.

 この順番は入れ替わっても良い.先に例題や練習問題で公式を試してみてからその公式の導出の過程を考えながら写しても良いし,定理を使って例題や練習問題を解いてから証明の内容を写すようにしても良い.各自がやりやすい順番でやるべきである.

 少しずつ応用問題にうつる.わからなければ躊躇せずに解説(日本語の説明や図、グラフなどを含む完全な解答)をノートに写す.そしてやっぱり問題文の仮定がどこで使われているのか,これまでに学んだ公式や定理がどこで使われているのか,別解はないか、、、など思いつく限りのことを考える.そしてわかったと思ったら,一旦別のことをして,しばらくしてからもう一度解いてみる.できなければまた解説を写す、、、を繰り返す.

 

 算数,数学に限らず,計算問題は練習あるのみである.

 

 文章題については算数でも,中学校・高校の数学でも,4つの段階があることに注意 することが大事である.そして,どの段階でできていないのかによって勉強の方法が異なる.

 

1.文章題の文章の意味を理解できているか

 

2.文章題の仮定から結論を導くのに必要な式(方程式など)を書くことができるか

 

3. 2で作った式を計算して答えを導くことができるか

 

4. 問題文で聞かれていることに対して,正しく(必要なら単位をつけて)答えを書くことができているか

 

2,3,4,はその子の書いた答案を見れば一目瞭然である.1.は答案を見ただけではわからない場合が多いが,問題文の状況を絵に描いて説明してもらえばできているかできていないか大体判断できる.

 

 私の経験からすれば,文章題が苦手な小学生,中学生のうち 70% から 80% くらいは1の「文章題の文章の意味」が理解できていない.そういう学生たちが,学年が上がり,高校の数学を学ぶようになったからといって,いきなり”数学という言葉”で書かれた文章を理解できるようにはならないし,むしろもっとわからなくなる.

 

 話を戻そう.そもそも,3ができなければ応用問題よりまず計算問題を練習させるはずだし,4は単なる注意力不足だから特に問題にしなくて良い.

 2.は,1ができていてはじめて問題となるが,これは初めに書いたように”数学という言葉”に慣れる,あるいは ”算数という考え方に慣れる” 他ないから何度も正しい考え方を聞いて,ノートに書き写して,考えて、、、 を繰り返すしかない.

 

 では,1ができていない場合はどうするかというとこの場合はそもそも”日本語の力”の問題であるから数学をやるよりも文章を読む練習をする方が良い(ただし,”国語の力”ではない).

 日本の学校教育における初等学年での国語教育は,”作者の気持ち” とか "登場人物の心のうごき"  に偏りすぎている(それも重要だがやはり”偏りすぎている”ように思う).

 

数学や算数の文章題で

 

  " 鶴と亀の頭と足の総数が数えられるなら, はじめから別々に数えられるはずなのに, そうしなかった人はどんな気持ちだったのか" 

 

とか,

 

  ”植木を植えるのに,  その間を数えて人はどのように感じるか”

 

とかを考える必要はない(だから植木が杭に変わっても,亀が犬に変わっても関係ないし, もっと言えば 2 と 4 が書かれたカードの枚数と書かれている数字の和でもよい).

 文章にある事実をそのまま事実として捉え,何がわかっていて(仮定),何がわかっていないのか(聞かれていること,結論)をきちんと把握することである.

 

 以上の理由から,私が塾で教えていた時,文章題が苦手な子には,

 

「毎日,新聞記事で気なったものについて,できる限り簡潔に要約を書く」

 

という宿題を出していた.

 

 その子はスポーツが好きだったから,毎日スポーツに関する記事について,何が起こって結果どうなったかを纏めてくれた.

 その後(数字で測ることはできないが,多分)その子は文章題に強くなったと思っている.

 ポイントは,”気持ち”とか”心の動き”といった書かれていないことを想像するのではなく(たとえ書かれていても,もしそれらが記事で伝えたいことと関係が無いか,関係が薄い情報である場合はすべて削ぎ落として),書かれている事実を”可能な限り簡潔に”まとめることである.

 だからこの宿題については,常に”もっと短く,簡潔に要約できないか”という視点で添削を行う.

 国語の作文や感想文では,自分がどう考えたかを豊かな日本語の表現によって,それなりに分量のある文章で述べる必要があるが,それとは真逆である.だから”国語の力”ではなく,”日本語の力”とかいた.

 そもそも新聞の記事は,事実を限られた紙面で簡潔に伝えるように書かれているから,それをさらに要約するのは意外と簡単なことではない.

 

 時間はかかるが,ここに書いた方法以外に数学や算数が苦手な人が克服する方法はないと思っている.

 

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