「将来の夢」(証明の話)
子ども:「ぼくね、大きくなったお医者さんになりたいんだ」
お母さん:「そう.だったらたくさん勉強しないとね」
子ども:「どうして??」
お母さん:「だって,お医者さんになるには医学部に行かないといけないのよ」
子ども:「ふーん...( イ ガ ク ブ ってなんだろう)」
お母さん:「医学部に入ろうと思ったら難しいテストに合格しないといけないのよ」
子ども:「そうなんだ!!じゃあぼくたくさん勉強するね」
お母さん:「頑張ってね!!」
子ども:「うん!!」
微笑ましい会話であるが,我々は日常的にはこの「お母さん」のような考え方をしている.
目標(目的)に対して,それを達成するためのプロセスを逆にたどるように考える.今の場合だと
「医師になる」 には 「医学部に入学する」 には 「医学部の入試に合格する」 には 「勉強する」
といった具合である.お母さんが最初に「たくさん勉強しないとね」と言った後に,子どもが「どうして」と聞いたのは,子供にとっては「医師になる」ことと「勉強する」こととの因果関係がわからなかったからである.
数学の証明問題も同じである.証明問題とは,答えが先に書いてあって,その答えに辿り着くまでのプロセスを説明しなさいという問題である.
「学問的に数学を発展させる!!」といった目標の場合はともかく,教科書の証明問題くらいなら,答え(証明すべきこと)が書いてあるのだからそこから逆にたどってどういう条件があれば良いかを考えていけば,大抵は問題文の中にある仮定にたどりつく(だからこそ,問題文をきちんと読んで,仮定されていることが何であるかを確認するのが重要である).
それをまるで「仮定から順に考えて,きちんと正しいことが言えましたよ」と言わんばかりに解答欄に書き連ねれば良い.
まるで数学の教師が
「なぜこんなこともわからないのだ」
と言わんばかりに黒板に書くように....